■岩谷堂箪笥の手入れ方法
 漆は、湿度の変化や気候の移り変わりに応じて、まるで呼吸するようにその特性が生きて、弾力性を保ち続けます。
そして、木も生きています。置かれる環境により変化することがあります。使用するに従い、自然と塗肌に落ち着きが出て、年月が経つに従って杢目の美しさと、漆本来の味わいが出てきます。
◆岩谷堂箪笥の取り扱いについてのお願い
本漆が塗装してあるので、漆にかぶれることがあります。
漆は年月が経つに従って透けてくる特質がありますので、色合いが薄くなってきます。
意匠上金具が付いているので、ぶつかるとケガをすることがあります。
蝶番のゆるみや、釘の打ちつけなど時々点検し、締め直したり打ち直したりして下さい。
ゆるんだまま使用すると、壊れたりケガをすることがあります。
家具の上に立ったり、飛び跳ねたり、踏み台代わりに使ったりしないで下さい。
倒れてケガをすることがあります。
移動するときは、床面を引きづったり、押したりしないで下さい。
大人数人で持ち上げて運んで下さい。
床面のキズや破損の原因となることがあります。
据え付けに際し、家具が水平に保たれるよう床面の調整をして下さい。
また、カビやダニの発生の原因となりますので、箪笥の裏側も空気が流れるよう壁から少し離して下さい。
直射日光に当てたり、ストーブやエアコンのそばに置くと、光や熱、エアコンの風によって変形したり変色したりすることがあります。
セロハンテープなどの粘着テープを貼付しないで下さい。
はがすときに塗膜を傷つけることがあります。
引き出しに使用している桐の木は、湿度の変化や気候の移り変わりにより、膨らみ、引き出しがきつくなることがあります。
膨らんで引き出しがきつくなった場合は、引き出しを抜き、天気の良い日に風通しの良い日陰で風に当てると元に戻ります。
手入れは乾いた柔らかい布で磨いて下さい。
水気は出来るだけ早く拭き取って下さい。
(化学雑巾、シリコン等では拭かないこと!)
金具が鉄の場合、錆びることがありますので、椿油などを表面に少量塗り、柔らかい布でしっかりと拭いて下さい。
錆止め、艶出しにもなります。
虫害を発見した場合は、直ちに殺虫や防虫処理をして下さい。
他から虫が入ったことも考えられるので、放置すると虫害が拡大する恐れがあります。
岩谷堂箪笥の趣き
ご婚礼3点セット…左から、洋服たんす、衣装たんす、整理たんす
床の間に映える長火鉢